宇宙飛行向けドライブシステム

新たな宇宙時代の幕開けです。

maxonドライブシステムは、火星探査で最も頻繁に飛行するアクチュエータのひとつです。これらのドライブシステムは、人類がこれまでに構築した中で最も複雑なロボットシステムの一部を動かしています。

宇宙応用分野に向けて最適化されたサービス

宇宙へと出発するお客さまをサポートするため、maxonは2020年に宇宙飛行の専門グループを設立しました。maxon SpaceLabは、宇宙アプリケーション向けに最適化されたサービスを提供します。Spaceカタログには、宇宙環境における難易度の高い用途向けに、信頼性の高いソリューションが厳選されています。ここでは、宇宙での実績が集約された製品に重点が置かれています。

SpaceLabにより、maxonは宇宙産業分野のお客さまをサポートするためのリソースを構築しました。

SpaceLabは研究開発グループに属しており、以下のような特徴と背景のあるプロジェクトに特化して活動しています:

商業向け「新宇宙飛行」の応用分野

科学研究ミッション

極端な環境への対応 (低温および超高温、真空、放射線、多大な機械的衝撃および振動)

使用可能な設計に応じた寸法の拡大または縮小 (スケーリング)

応用分野には、とりわけ、高品質要件、高い技術的複雑性、少量生産 (ワンショット、マイクロおよび小規模シリーズ)、および複雑な試験内容が含まれることがあります。

宇宙応用分野

maxonのアクチュエータは、世界中の宇宙機関から資金援助を受けた数多くのミッションで使用されているほか、商業衛星、探査車、科学宇宙船、およびISSにも搭載されています。maxon Spaceカタログのアクチュエータは、NASA、ESA、JAXA、商業および新興宇宙市場における多くの民間企業を含む各顧客のミッションの要件を満たすため、必要に応じて変更することが可能です。maxonは、ハイエンドのワンショット宇宙ミッション、高価値かつ少量の商用宇宙アプリケーションから、新しい大量生産宇宙衛星群までを網羅しています。

maxonアクチュエータが採用されている応用分野の一覧:

展開機構および回転機構

慣性車輪

ジンバルサスペンション用ドライブ

ポンプおよびバルブ制御装置

トリガーと安全機構

宇宙用ロボット

探査車のホイールドライブとステアリング

打ち上げ用ロケット機構

その他色々

最も難易度の高い宇宙ミッションに対応する設計

SpaceLabポートフォリオには、信頼性の高い標準コンポーネントのほかに、特別に開発されたカスタマイズ仕様のソリューションも含まれています。開発集約的なこれらのアプリケーションの設計、テストおよび生産は、明確に定義されたプロセスシーケンスに沿ってmaxon社内で行われます。maxonの宇宙分野のエキスパートは、明確に取り決めたプロジェクト範囲に合わせ、技術、コスト、所要時間にも配慮しながらお客さまをサポートいたします。仕様決定のフェーズから生産の開始まで、お客さまに寄り添い、宇宙産業分野で最も信頼できる製品サポートをご提供することを保証します。

特殊設計の例:

完全カスタマイズされたアクチュエータ

ジョイントアクチュエータ

特殊インターフェース (例: インサート付きフランジ)

使用可能な設計に応じた寸法の拡大または縮小 (スケーリング)

慣性ホイールのローター慣性モーメントの強化

最適化された重量 (例: 段付きギアボックス)

妥協の許されない状況下で

歴代のミッションでも、または商用スペースシャトルでも、すべての宇宙アプリケーションでは個々のコンポーネントの信頼性が絶大な意味を持ちます。maxonシステムはミッションの成功を左右する多くの重要コンポーネントを駆動しています。これらのコンポーネントが機能不全に陥るようなことは許容されません。このため、maxonは電気冗長モータも同時に提供し、ミッション全体のリスクヘッジに役立てています。冗長性の要件に応じて、maxon SpaceLabはさまざまなソリューションをご提供します。

熱意に溢れた宇宙分野のスペシャリスト

宇宙ミッションにおいて、maxonは25年を超える経験と成功の実績を誇ります。この経験に基づいて、maxon SpaceLabのエンジニアは、材料、加工、検査方法で変更された標準コンポーネントの独自のプログラムを開発しました。

maxonの産業分野における豊富な経験に基づいて、これらの製品は宇宙用途に適格であることが証明されています。プロトタイプや機能モデルについては、まずはより低価格の産業用バリエーションをご提供することが可能です。これにより開発フェーズが大幅に短縮され、経済的な大量生産が実現されることで、お客さまにも恩恵がもたらされます。また、商用ロケットや商用衛星の打ち上げコストも削減されます。

ドライブ

宇宙応用分野向けの弊社の推奨製品。

ブラシレスモータ (EC)

EC 20 flat / EC 32 flat / EC 45 flat / EC-4pole 22 / EC-4pole 30 / EC 13 / EC 40 L

製造工程が自動化されているmaxonのフラットモータは、スペースが限られた用途に特に適しています。このモータはインナーローター型とアウターロータ型の両方で設計されており、最大回転数は2万 rpmに達します。ホールセンサ、センサレス、またはフレームレスの仕様でご入手いただけます。
特殊な巻線テクノロジーと4極磁石が採用されたEC-4poleドライブは、最高の体積対出力および質量対出力を誇ります。これらのドライブは、低いコギングトルクで、高い効率を発揮し、優れた制御ダイナミクスを備えています。

maxonの電気整流ECモータは極めて長寿命で、特にプリロードされたボールベアリングと組み合わせることで存分に活用できます。これらは優れたトルク特性、高出力、広い回転数範囲という利点を兼ね備えています。

ショップへ

宇宙環境との適合性を考慮して、厳選された接着剤で使用量を削減し、オールステンレス製、レーザー溶接接合が採用されています。
衝撃、振動、耐放射線性、および極端な温度においてガス放出の低い (低アウトガス) 真空動作向けに改良が施されています。

ブラシ付きモータ (DC)

DCX 10 / DCX 14 / DCX 22 / DCX 32 / DCX 35

maxon DCXモータは卓越したトルク密度とその絶対的な低騒音で威力を発揮します。これらのモータは、バッテリーに接続するだけで作動させることができます。これにより、コストが節約されるだけでなく、モータ制御電子回路の質量/体積も削減されます。堅牢な構造とコアレスロータを備えたこのモータで、ほとんどすべての用途に対応するダイナミックなドライブが実現します。真空に適したグラファイトブラシまたは貴金属ブラシ、およびその他のオプションコンポーネントも提供いたしております。

ショップへ

宇宙環境との適合性を考慮して、厳選された接着剤で使用量を削減し、オールステンレス製、レーザー溶接接合が採用されています。
衝撃、振動、耐放射線性、および極端な温度においてガス放出の低い (低アウトガス) 真空動作向けに改良が施されています。

ギアヘッド

GP 10 / GPX UP14 / GPX 22 UP / GPX 32 UP / GPX 42 UP

精密スパーギアヘッドおよびプラネタリギアヘッドは、maxonモータに合わせて正確に調整されており、maxonにて直接開発されています。

GPXギアヘッドは、コンパクトな設計でありながら、高い動力伝達能力を備えています。モジュラー設計とスケーリングされた段が、カスタムメイドのソリューションを実現します。宇宙適合バージョンには遊星歯車と太陽歯車の各歯車段の周りにケージロックが付いており、最大の信頼性を確保しています。

ショップへ

接着剤未使用、オールステンレス製。
レーザー溶接および冷間成形接続。
衝撃、振動および極端な温度においてガス放出の低い (低アウトガス) 真空動作向けに改良が施されています。

センサ

ENC 13 / MR タイプ M

堅牢性センサは、高精度と高い信号分解能が特徴です。取付けは各種モータに合わせて調整され、maxonで実施されます。

ショップへ

パルス数：2 パルス (8 Quad-CPT)/ 32 パルス (128 Quad-CPT)。
冗長2チャンネルセンサ – MERミッションから開発された宇宙適合バージョン (火星探査機スピリットとオポチュニティ)。
完全な電気的冗長 (1つの基板上に2つのガルバニック絶縁回路)、振動、衝撃に強いハウジング。

ブレーキ

AB 22 / AB 32

maxonは、宇宙プロジェクト向けにパッシブコギングトルクブレーキと電気機械式アクティブブレーキの両方を提供しています。これらのブレーキは、さまざまなドライブの組み合わせにモジュールとして組み付けることができ、モータがオフになっているときに外部負荷による回転を防ぎます。停電時には非常停止メカニズムとしても活用することができます。

ショップへ

22 mm/ 32 mm 能動的な永久磁石ブレーキ。
高い振動/衝撃負荷に備えて改良済み。