maxon Story

AGVのモータドライブにおける5つのキーポイント

AGV_GettyImagesAGV_GettyImages

AGVの設計においては、モータドライブの選択が非常に重要になります。AGVのモータドライブで留意すべき5つの重要なポイントを紹介します。

1.    可能な限りコンパクトなモータドライブを選択する

倉庫での作業において、コンパクトさは重要な要素です。Eコマースの利用者の要求はさらに高まっており、24時間以内の配送が基本になりつつあります。こうした状況の中、倉庫が主要な配送エリアから遠く離れた場所にあっては、利用者の要求に応えることはできません。しかし、市街地近郊の土地 1m2 あたりの価格は、僻地の価格とは違います。このため、物流会社は省スペースのハイラックストレージソリューションを採用する傾向が高まっています。つまりこのソリューションでは、垂直移動が可能で、必要な高さに到達することができるロボットが必要となるのです。ただし、モータが大型になるとAGVのコンパクト化が困難となるため、小型モータのオプションを選択する必要があります。時には、既存のトラックにドライブを組み込む必要も生じるため、ドライブは限られたスペースにも収まることができなければいけません。設置面積が狭いことは、物流分野のアプリケーションにおいて最大の課題です。

2.    使いやすさを重視

概してロボットは、人を助けるように設計されています。AGVのモータドライブも例外ではありません。maxonのIDX コンパクトドライブには、考え得る接続オプションがすべて標準装備されており、ニーズに合わせて調整が可能となっています。ドライブは納品時にあらかじめプログラムされているため、差し込むだけてすぐにご使用いただけます。まさにプラグアンドプレイのソリューションだと言えるでしょう。

IDXモータを注文するときは、必要となるすべてのパラメータをオンラインコンフィギュレータで定義します。製品の通信方法、必要なケーブル、選択する電子機器、モータ出力、ブレーキの有無など、数回クリックするだけで、オンラインですべてをプログラミングできます。このように、お客様の要件に応じて構成されたモータは、すぐにご使用いただける状態で納品されます。 

電子回路内蔵のモータはすでにネットワーク接続されているため、リモートで管理することができます。使用される通信バスは、EtherCATシステムと CANopenシステムの両方の方式で通信することが可能です。なお、将来的には IoTネットワークにおける通信方式も使用可能となります。このように、ロボットはコンピュータでプログラミングし、リモートで制御することが可能となっています。このため、メンテナンスも非常に簡単です。すなわち、AGVのフリート全体に対して一度に作業し、診断や更新を実行することができるのです。

IDX56_L_maxon

IDX モータは直径わずか 56 mmですが、発揮する性能は設置スペースが 25% 大きいモータと同等です。このため、IDX 動力化装置は、性能および省スペースを兼ね備えたソリューションだといえます。

3.    迅速な納品

今日、迅速な対応は基本条件であり、標準的なサービスとして定着しています。AGV分野の課題を熟知している maxonは、19 日以内に IDXソリューションを納品することを目指しています。

4.    モジュール方式設計

AGVが請け負うタスクはさまざまです。1トン以上の荷物を運ばなければならない AGVもあれば、100kg程度 の荷物を持ち上げるものもあります。直進するものもあれば、統合式のステアリング機能を備えたものもあります。また、荷物を持ち上げるために使われる AGVもあります。 

このため、モータドライブの要件は用途によって異なります。モジュラーソリューションがベースになっていることが非常に重要なのはこのためです。モータの種類、定格出力、電子機器、接続性、通信タイプ、モータ保護等級、およびブレーキやエンコーダの必要性などを選択できるようでなくてはいけないのです。

これらのパラメータは、オンラインですべて簡単に設定することができます。この画期的なコンフィギュレーションツールは、市場でもユニークな存在です。お客様の要件を満たすドライブソリューションをわずか 19日間で開発することができる、当社の高度に組織化された生産体制を是非ご活用ください。

AGVの用途が何であれ、maxonの機能とツールを使用すれば、適切なモータドライブのオプションを手に入れることができるでしょう。

5.    安全性を最優先

AGVは、オペレータやスタッフだけでなく、他の AGVにも近い場所でも動作します。このため、必要となるあらゆる安全対策を講じて、人と機械の安全なインタラクションを維持する必要があります。ロボットにはモーションセンサと光学センサが装備されており、人の存在を検知し、衝突のリスクを回避することができます。この安全志向のアプローチは、モータドライブにも当てはまります。たとえば、過熱による危険を回避するため、IDXコンパクトドライブにはモータ内と電子機器内に 1つずつ、2つの温度センサが内蔵されています。問題が発生するとモータは即座に停止され、筐体全体の過熱を防ぎます。市場で販売されているほとんどのモータでは、装備されているのは電子機器用センサのみで、こうした応答機能は搭載されていません。周知のとおり、AGVのモータドライブは重要な技術的課題のひとつです。maxonはお客様のニーズを満たすため、その事業分野で求められる価格帯を維持しながら、競合他社よりも 25% 優れた性能を備えた非常にコンパクトなモータを設計いたしました。

maxonのIDX コンパクトドライブについて、もっと詳しくご覧ください。

Author: Madeline Vassaux

© by © maxon motor ag