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1-Q vs. 4-Q コントローラ

このブログでは、2 つのコントローラタイプの違いと、それぞれのタイプに適したアプリケーションについてご説明します。

アプリケーションに必要となるコントローラのタイプについて、お客様からよく助言を求められます。コントローラを推奨する際にまず考慮すべき要因の 1つは、それが 1象限であるか、または 4象限のコントローラであるかということです。maxon が提供するコントローラは多種多様です。DEC Moduleシリーズの 1象限モデルもあれば、ESCON、EPOS2、EPOS4、MAXPOSシリーズなどの 4象限モデルもあります。ここで本当に問うべきことは、そのコントローラがお客様とアプリケーションに対し、実際にどのような役割を果たすかということです。 

まず最初に、4 つの動作象限 (n = 速度、M = トルク) でのモータ速度とモータトルクを示す以下の図からご紹介します。

Grafik_1Q

4 つの象限動作でのモータ速度とモータトルク (n=速度、M=トルク)

1-Q スピードコントローラ (DEC Module)

第1象限と第3象限は、モータ速度とトルクが同じ方向を向いていることを示しています。1-Qコントローラは、これら 2つの象限内で動作するコントローラです。1-Qコントローラのさまざまな特徴については、以下を参照してください。

  • モータ速度とトルクを同じ方向にのみ加速できます (第1象限または第3象限でのみ動作できます)
  • モータ電流は一方向にのみ流れます
  • 制動/減速の制御は不可能です (モータトルク/電流を反対回転方向にしてモータを減速させることはできません) -> このため制動が遅延し、ドライブは摩擦でのみ減速します
     

アプリケーション例:

  • DEC Module (シンプルスピード制御): 送風機、ポンプ、カッティングドライブ、ローラブラインドドライブ
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1-Q スピードコントローラ DEC モジュール 50-5

4-Q コントローラ (ESCON、EPOS、MAXPOS)

第2象限と第4象限は、モータ速度とトルクが反対方向を向いていることを示しています。4-Qコントローラを使用すると、図に示されている象限のいずれかで自由に操作できます。4-Qコントローラのさまざまな特徴については、以下を参照してください。

  • 負荷が両方向で変化しても速度を維持します (加速または制動)
  • すべての 4象限で作動が可能です
  • モータ速度を能動的に減速できます (回転方向と反対方向のモータトルク/電流の適用が可能)
  • 制動中、モータからコントローラ (電源) にエネルギーの流れを戻すことができます
  • 速度設定値の変更にすばやく反応します
  • 位置制御に必須です
     

アプリケーション例:

  • ESCON(動的な電流/速度制御): コンベアドライブ、ハンドツール、スキャナー
  • EPOS2/EPOS4(位置/速度/電流制御、通信バス): アクチュエータ、ラボオートメーション、ドアドライブ
  • MAXPOS(高度で動的な位置/速度/電流制御、通信バス): ロボティクス、ピックアンドプレース、オンザフライプロセス
     

このように、1-Qおよび 4-Qコントローラにはどちらにも長所と短所があり、アプリケーションに最適なタイプのコントローラは、お客様のニーズと要件に応じて決定する必要があります。

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4-Q コントローラ ESCON 50-5
著者: Biren Patel

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