maxon Story
ウェアラブルロボティクスで次のステップを踏み出す


Angel Robotics 社は、韓国を拠点とするリハビリ用ウェアラブルロボットに特化したベンチャー企業です。同社の外骨格 (エクソスケルトン) は、すでにその競争力が実証されています。
2020年 11月に開催されたグローバルイベント「サイバスロン」の電動外骨格レースでは、韓国から参加したチームが金メダルと銅メダルを獲得しました。出場者のキム・ビョンウク選手とイ・ジュヒョン選手は、それぞれ 3分47秒と5分51秒でゴールラインを通過し、イベントのヒーローになりました。
注目すべき点は、この 2人は両方とも Angel Robotics社チームのメンバーであったことです。「Robotics for better life」というスローガンを掲げる Angel Robotics社は、メダルを獲得したこの 2名を物理的にも精神的にもサポートし続けていました。Angel Robotics社は、韓国科学技術院 (KAIST) 機械工学科のキョンチョル・コング教授によって 2017年に設立されたベンチャー企業です。同社は、リハビリテーションとヘルスケア向けのウェアラブルロボットに特化した事業を展開しています。
Angel Robotics 社は第1回サイバスロンでも maxonモータを使用して外骨格レースに参加し、見事に銅メダルを獲得しました。大会で使用された WalkONスーツは、下肢完全麻痺者用のロボットです。第2回大会では、Angel Robotics社はユーザが感じる荷重を大幅に削減し、ユーザがロボットを装着したまま長時間立つことができるようにすることを重視しました。さらに同社は、1分間の連続歩行で 40メートル以上の距離を歩行できることを確認し、通常の健常者の歩行速度である時速 2~4km に合わせてスーツを改良しました。この速度は、これまで世界中で報告されている下肢完全麻痺者の最速の速度です。maxon EC 22 モータと ESCON Module 50/8 は、ロボットの足首のリニアアクチュエータに使用されており、歩行や障害物を越える際に滑らかで自然な動きを実現します。
さらに同社は、部分的な麻痺を持つ人々や筋力が低下した高齢者を支援するために設計された Angel Suit 歩行補助ロボットなど、その他のロボットも開発しています。また、病院でリハビリ治療やトレーニングに使用されるロボット医療リハビリ装置、Angel Legs Mも提供しています。
Angel Legs Mは、下肢部分麻痺により歩行が困難な方のためのロボットです。ロボットのセンサがユーザの動きを分析し、ここでサポートの必要性が検出されると、ロボットが適切な強度を出力します。ユーザが脚を上げると脚の重量が減少し、足が地面に触れると支持力が提供されます。maxon EC45 flat motor、MILE エンコーダ、および ESCON Module 50/8 コントローラは、ロボットの股関節と膝関節の動きを担い、滑らかで正確な支持力を発揮します。
Angel Robotic 社の上級研究員であるナ・ビョンホン氏 (R&D チーム) は、maxon について次のように述べています。「ウェアラブルロボットでは、モータの重量とサイズが非常に重要です。出力も重要ですが、力が限られているユーザへの負荷を最小限に抑え、スーツへの乗り降りを容易にし、受け入れられやすいロボットを設計するために、モータドライブは可能な限り軽く、小型でなければなりません。幅広い用途に使用される BLDCモータの中でも、maxonモータは出力の割に軽量かつ小型で、かつ高効率であり、サイズや重量を重視する必要があるロボットに最適です。maxonにはさまざまな種類のモータシリーズがあり、必要な出力のモータを簡単に選択できます。また、安定性と内部構造が非常に優れているため、リハビリテーションロボットにに対するユーザーの信頼を高めることも可能となっています。
高齢者人口の増加といった社会的要因を考慮すると、ウェアラブルロボットは、障がい者だけでなく、今後、人類全体に不可欠なロボット技術だといえます。このため、maxonは継続的な製品開発と技術向上を促進し、すべての人々により良い生活を提供することを目指しています。