maxon Story
より精密に、より滑らかに:精密用途向けのストレインウェーブギア


限られたスペースでの精密なモーション制御と高トルク伝達を実現するには、ストレインウェーブ(波形)ギア技術は欠かせません。maxonのギア開発責任者であるダルコ・ルキッチが、これらの精密部品が同社の製品ラインナップを拡大する理由と、要求の厳しいアプリケーションにどのような利点をもたらすかを語ります。
maxonはストレインウェーブギアを製品ラインに追加しました。これはモーションコントロール用途にとってどのような意味がありますか?
ダルコ・ルキッチ: ストレインウェーブギアにより、モータ、ギア、エンコーダ、制御装置を含む高精度かつコンパクトな駆動ソリューションをワンストップで提供できるようになりました。これにより、統合の手間が減り、技術的リスクが低減され、市場投入までの時間短縮が実現します。開発者にとっては、駆動設計に費やす時間が減り、アプリケーションそのものに集中できるようになります。
高精度とコンパクトな設計が求められる用途において、これらのギアはどのような特別な利点を提供しますか?
ダルコ・ルキッチ: 当社のストレインウェーブギアは、無負荷時の摩擦が最大50%低減されており、エネルギー効率が向上し、繊細な動作が可能になります。最大80%の効率は業界平均を大きく上回ります。さらに、バックラッシュのない動作、静音性、長寿命といった特性があり、繊細な環境において非常に重要です。実用的な利点として、顧客は当社から直接駆動システム全体を調達できるため、統合が大幅に簡素化されます。
ギアの設計原理は、どのようにして高いねじり剛性と効率を実現しているのですか?
ダルコ・ルキッチ: 核となるのは柔軟なフレックススプラインで、剛性のあるサーキュラースプラインと組み合わせることで、バックラッシュのない動力伝達が可能になります。最適化された歯形と精密な製造により摩擦が最小限に抑えられ、ねじり剛性が向上し、最大限の効率と安定性が得られます。
ストレインウェーブギアは主にどの分野で使用されていますか?
ダルコ・ルキッチ: 主にロボティクスや医療技術分野で使用されていますが、航空宇宙、光学システム、半導体製造などでも活用されています。精度、コンパクト性、信頼性が不可欠なあらゆる場面で使用されています。
性能向上に寄与した技術革新にはどのようなものがありますか?
ダルコ・ルキッチ: 最適化された歯形、新素材と潤滑剤、より厳密な製造公差、同じ外径でより大きなウェーブベアリングと歯車の採用などが挙げられます。これらの進歩により、摩擦と摩耗が減少し、精度が向上しています。
maxonはエンジニアの統合作業をどのように支援していますか?
ダルコ・ルキッチ: 当社は、完全に調整・組み立て済みのドライブユニットを提供しています。また、CADデータや3Dモデルも提供しており、統合を可能な限り簡単にするために技術サポートも行っています。
maxonが他のメーカーと異なる点は何ですか?
ダルコ・ルキッチ: 当社のユニークな強みは、ストレインウェーブギア、モータ、エンコーダ、制御装置をすべて一括で提供できることです。maxonの製品ラインでは、すべてのコンポーネントが相互に最適化されているため、大きな利点となります。さらに、摩擦トルクの低減、高効率、そしてスイス製ならではの精密さが加わります。
maxonにおけるストレインウェーブギアの将来展望は?
ダルコ・ルキッチ: 当社は、マイクロロボティクス向けの小型化、状態監視用のセンサー統合、サイズの拡張、カスタムソリューションの開発に取り組んでいます。これにより、新たな応用分野を開拓し、システムプロバイダーとしての地位をさらに強化していきます。