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産業が求める新開発の位置制御ユニット

maxon motor のセールスエンジニアであるビレン・パーテル氏が、同社の次世代の位置制御ユニット EPOS4 について語ります。

この DC モータコントローラには 2 種類の定格電流とコネクタボードがあり、機械に速やかに統合できるようになっています。位置制御ユニットは、最大連続出力 750 W、ピーク電力 1500 W のブラシ付きおよびブラシレス DC モータの動的制御に適しています。

いくつかの理由により、私たちは新しい簡単位置決めシステム (EPOS) を開発することになりました。当社の自慢は、テクノロジーと継続的な技術革新です。この位置制御ユニットは、当社の EPOS2 コントローラより 2.5 倍も高速です。これは既存のコントローラの代わりになるものではありませんが、補完的役割を果たします。

エンジニアは、高精度の位置制御は必要ではないが、何らかの高速化が必要なアプリケーションを取り扱うことがあるかもしれません。maxon motor の EPOS4 位置制御ユニットはまさにそうした用途において真価を発揮し、ハイエンド制御ユニットとローエンドデジタル信号プロセッサ (DSP) をベースとしたシステムの、どこか中間を必要とするような用途を満たすことができます。

「私たちは、過去数年間において、お客様からよりコンパクトでより高い電力密度のコントローラを求められるようになりました。これが、私たちが EPOS4 を開発することになったもうひとつの理由です。コントローラのピンヘッダーはメインボードの一部であり、固定されています。取り外せるのはコンパクトボードで、これはメインボードの一番上に配置し、簡単なセットアップやワンオフアプリケーションの素早い構築を可能にするものです。

EPOS4_Module
EPOS4 モジュール

迅速な接続を可能にする EPOS 位置制御ユニット

これまでの状況を想像してみてください:エンジニアが実現可能性分析や概念実証を行う場合、従来のコントローラ設計では、エンジニアが実際に現場に立ち入り、ピンに直接はんだ付けする必要がありました。そしてこのとき、他のピンをショートさせたり、ボード自体を損傷したりするおそれがあったのです。

これとは反対に、当社の EPOS4 の場合、エンジニアは購入したコンパクトボードを EPOS4 上に配置し、既存のコネクターを使用してさまざまなタイプのモータ、電源、およびその他のモーションコンポーネントを接続して、実現可能性調査を完了することができます。

このようなモジュール設計は、コントローラの他の機能にも適用されています。私たちはオプションのヒートシンクを追加して、コントローラボード容量をさらに強化しました。また、高温でより高い電流容量を確保するには、追加のヒートシンクを適用することが推奨されています。

ヒートシンク非装備の基本モデルボードの出力は 8 Aです。ヒートシンクを使用すると、連続電流 15 A を確保することができます。さらに追加のヒートシンクを装備すると、コントローラは 70~75°C を超える周囲環境でも最大負荷で 15 A を出力することができます。

EPOS2 および EPOS4 コントローラには、R232 USB および CANopen 通信バスが装備されています。EPOS4 には、EtherCAT 通信のオプションも含まれています。EPOS2 および EPOS4 との USB 通信は、通常、サービスおよびプロセスのインターフェースに使用されます。MAXPOS と呼ばれる位置制御向けハイエンドコントローラには、EtherCAT コネクティビティのみが搭載されています。

このコントローラは EtherCAT スレーブデバイスであり、私たちはこれを、イーサネットへの移行を行うあらゆる用途に重要な機能だと考えています。これは私の個人的な意見ですが、EtherCAT はさらに急速に普及すると思います。誰もがマーケティング戦略において、この規格がもたらす実際の恩恵があってもなくても、EtherCAT コネクティビティが搭載されている、と言いたがっているからです。これが、私たちが EPOS4 EtherCAT 通信を採用したもうひとつの理由です。

EPOS4_50_5_Compact
EPOS4 compact

当社は、エンジニアの皆様がより多くの構成と概念実証の実現可能性分析を行うことができるように、EPOS Studio ソフトウェア (無料) を提供しています。Studio ソフトウェアにはデータレコーダも含まれています。使いやすく、シンプルなオシロスコープ機能も含まれたレコーダです。エンジニアは、位置などを監視し、コマンドとモータの実際の挙動を比較を確認するために、4 つのチャンネルを使用することができます。

また、このソフトウェアを使用して、速度と電流の流れを監視し、作業を確認することもできます。たとえば、リードスクリューをもとにリニアモーションシステムを設計し、EPOS Studio ソフトウェアを使用して、一定の電流のみが消費されるようにしたり、または規定のトルクが確実に出力されるようにしたりすることができます。

EPOS Studio ソフトウェアは、これらすべての値を読み取って比較することができます。これは、ドライブシステムを構成する際に非常に便利です。しかし、役立つ機能はこれだけではありません。ユーザは単純な動作を入力するだけで、モーション出力に関連するすべてのデータを記録し、システムがどのように機能しているかをより明確に把握することができます。詳細については、ここをクリックしてください:

epos.maxonmotor.com
 

著者: Biren Patel

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