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CAN とは何か?なぜ使用するのか?
コントローラエリアネットワーク (CANバス) は、マイクロコントローラとデバイスが相互に通信できるように設計されたバス規格です。このメッセージベースのプロトコルは、本来、車両への搭載が増加しているアクチュエータやセンサにおける、インテリジェントで信頼性の高い電気配線とデータ交換を行うために設計されています。長さ数メートルのフィールドバスとして当初設計されたこの CAN バスは、現在、コンパクトな機械やデバイス内の通信バスとして幅広く普及しています。
CANopen は、自動化に用いられる組み込みシステムを対象とした標準通信プロトコルおよびデバイスプロファイル規格です。こうしたネットワークには CANopen マスターが 1 つ存在し、通常「CANopen スレーブ」と呼ばれるさまざまなデバイス (センサ、アクチュエータ、モーションコントローラなど) を構成し、コマンドを実行しています。そのようなネットワークでは、プラグイン CAN カードまたは外部 USB/CAN ゲートウェイを備えた PC、CAN インターフェースを備えた PLC、もしくは CAN インターフェースを備えたシンプルなマイクロコントローラーチップが、CANopenマスターとして機能します。これによりエンジニアは、性能、優先ハードウェア、プログラミング環境、そして自身の経験値などの選択基準に基づいて、アプリケーションに最適なマスターを選択することができます。
maxon motor の EPOS4 コントローラは、位置、回転数、および電流/トルク制御の用途において、すでに世界中で 100万台以上の導入実績があり、各産業分野でその性能が実証されています。
CAN は、限られたスペースで設計を行うエンジニアに、次のようなさまざまな重要な恩恵を提供します。
- コンパクト:CAN バスなどのフィールドバスでは、最小限の配線で多数のセンサやアクチュエータを使用することができます。
- 費用対効果: CAN コントローラが統合されたマイクロコントローラとプロセッサは可用性が高いため、CAN は一般的に低コストなバスとして知られています。CiA 301 や、CiA 402 などデバイス固有のプロファイルに従って標準化された CANopen プロトコルを使用することでも、制御ソフトウェアの開発コストは大幅に削減されます。
- 標準化および互換性: CANopen は、その性能が実証された、広く普及している工業標準規格です。CANopen デバイスはすべて同じ方式でデータを交換します。また、デバイス固有の機能の処理も、デバイスプロファイル標準で規定されています。 このため、こうしたネットワークへのデバイスの交換または追加は非常に簡単に行えます。これによりデバイスや機械のメーカーは、多大な労力を費やして再設計を行うことなく、機械の性能を向上したり、アップグレード機能を提供したりすることが可能になる、優れた柔軟性を確保することができます。
たとえば: 対応するコントローラを備えたステッピングモータを別メーカーのコントローラを備えた DC モータに置き換えても、CANopen プロファイルを使用していれば両方の駆動システムが CAN バス上でほぼ同じように反映されるため、制御ソフトウェアを変更する必要はほとんどありません。 - 同期が簡単: 小型デバイスであっても、性能と機能範囲に対する要件は常に増え続けています。個別のドライブを相互に同期させ、より複雑なモーションプロセスを生成することが重要になってきています。
maxonの EPOS4 コントローラは、CiA301 および CiA402 規格に準拠した CANopen スレーブです。これらのコントローラは、位置、回転数、および電流/トルク制御の用途において、すでに世界中で 100 万台以上の導入実績があり、各産業分野でその性能が実証されています。maxonは、開発者にとってスマートな開発と統合を保証し、PLC、PC、Linux ベースのコントローラといったさまざまな種類のマスターシステムに対して、プログラミングライブラリとハイクオリティなサポートをご提供します